【書評】饗宴外交~ワインと料理で世界はまわる~ 国を挙げた究極の接待について紹介

「天皇の料理番」はすごく面白いドラマでした。(2015年放映ですが今更見ました)

佐藤健の包丁さばきが凄すぎました。

主人公のモデルとなったのは”秋山 徳蔵”は、大正天皇の即位の礼で、祝宴料理の総料理長を務めた方です。

明治時代の文明開化でどれだけ日本が近代化できたのか、虎視眈々と領土拡大を狙う列強国に料理を通してアピールする必要がありました。

ドラマは明治から大正、昭和までを扱っていました。

現代の外交ってどんなだろう?

という疑問が湧いてきます。

今回紹介する本「饗宴外交~ワインと料理で世界はまわる~」は、現在の饗宴外交(外交のためにもてなす宴会)はどう行われているのか、そのギャップを埋めてくれる良書でした。

もくじ

天皇陛下に”普段の料理”を作るのは?

ドラマ「天皇の料理番」時代の饗宴の趣向

現代ならではの饗宴の趣向

平成から令和への”饗宴の儀”を担当したのは?

ホテル “ザ・プリンスギャラリー”の総料理長を務める高橋慶太さんが、饗宴の儀の献立を考えたようです。

高橋慶太さんの経歴は以下の通りです。

1982 年 プリンスホテルに入社後、東京プリンスホテルにて調理を担当

その後、フレンチレストラン「ボーセジュール」、グリルキッチンなどを経験

 

2007 年 ザ・プリンス パークタワー東京の開業プロジェクトを担当、

その後宴会料理長

 

2012 年 ザ・プリンス 箱根芦ノ湖 総料理長

 

2015 年 紀尾井町プロジェクト開業準備室調理 担当

 

2016 年 ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町 総料理長

(ザ・プリンスギャラリー 2017年プレスリリースより)

ドラマ「天皇の料理版」では主人公は”宮内庁職員”として働いていましたが、令和への”饗宴の儀”を取り仕切ったのは民間の料理人なようですね。

この”饗宴の儀”の食事を作るという仕事は入札で決められたようです。

参考 饗宴の儀料理の製造落札者等の公示

合計2,600人前を作る契約で8億4000万円で契約されています。

1人当たり3万円ちょっと、試作などもあるはずですし、もっとお金をかけてもいいような?

天皇陛下に”普段の料理”を作るのは?

こちらは宮内庁職員が行うようです。詳しく言うと

宮内庁 管理部 大膳課が作っているようです。

宮内庁HPに以下の記載があります。

大膳課
宮中行事の際に饗宴,茶会などのほか,天皇陛下,上皇陛下及び内廷にある皇族方等の日常のお食事についての供進及び調理に関することを担当しています。

現代の天皇の料理番は大膳課の方々を指すようですね。

現代ならではの饗宴の趣向

ドラマ「天皇の料理番」時代の饗宴の趣向

作中にも描かれていたシーンですが、当時のテーマは“近代化した証明”だったのではないかと考えます。

例えば、日本ではほとんど食べられず、海外では高級食材として扱われていたザリガニをわざわざ料理に使う点。

食材の切り揃え方を海外の水準に合わせていた点。

など、海外に対する文化水準のアピールに重きを置いていたように思います。

現代ならではの饗宴の趣向

いくつかエピソードを「饗宴外交~ワインと料理で世界はまわる~」からピックアップします。

全体を通して“友好の歴史の証明”が現代の饗宴外交の趣向のように思います。

イギリス首相との饗宴にはイギリス人杜氏が作った日本酒を選択

2011年に当時のイギリス首相だったキャメロン元首相が来日する予定がありました。

饗宴の場では基本的にワインが出されますが、その時はワインではなく京都でイギリス人の杜氏が作っている日本酒を出すことが決まったようです。

縁もゆかりもないワインを選ぶよりも話しに花が咲くのは間違いないですよね。

*残念ながらキャメロン元首相の来日は見送りとなってしまったようです。

サントリーのワインを饗宴で用いたフランス大統領

2003年に橋本元首相がフランスを訪問した際に、フランスのシラク大統領が饗宴を開きました。

その際に振舞われたのはボルドー地方のワインだったのですが、そのワインは1983年にサントリーが買収したワイナリーが作ったものでした。

買収当初は

フランス人

日本の企業がフランスの文化を侵略し始めた!!!

と批判もされたようですが、サントリーの資金援助によりワインの評価が改善し、格付けも上がったようです。

ワイン大国なフランスがあえてそのワインを選んだあたりに心配りを感じますね。

今も昔も”真心”が根底にあるのは変わらない

ドラマ”天皇の料理番”に「料理人に一番重要なのは真心だ」というセリフがあります。

饗宴外交~ワインと料理で世界はまわる~」を読んでみると、饗宴を企画する外交官、外務省、ソムリエ、そして料理人の方々がいかに真心を込めてレシピを考えているかが凄く伝わってきます。

今回紹介したエピソード以外にも、料理メニューの選定(特に酒選び)を慎重に行い、歓談がうまくいくようにサポートしていることがよくわかります。

私たちが普段知ることができない饗宴外交について学べ、非常にいい本でした!

お時間のある方はぜひ読んでみることをオススメします!

今回もお読みいただきありがとうございました!

読む本を探している方はぜひこちらも参考にしてください!

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