【基盤S研究シリーズ5】裁判へのAIの活用 禁忌な領域にAIはどこまで浸透している?

久しぶりに基盤Sシリーズです。

前作:【基盤S研究シリーズ4】 正常な血糖値を維持する臓器間の情報伝達に関する研究 糖尿病治療につながる?

基盤Sってなに?という方はこちらをご覧ください。

予算から考える研究室選び 文科省らが選んだ「今最も独創性があると判断した研究室」

 

今回では裁判へのAIの活用についての研究を紹介します。

今回ご紹介するのは、国立情報学研究所の佐藤 健(サトウ ケン)教授です。

参考 佐藤 健教授research map

 

60歳を目前にして司法試験に合格した佐藤教授

佐藤教授のご経歴は下記の通りです。

1981年 東京大学理学部情報科学科卒業
1981年 富士通研究所入所
1995年 北海道大学助教授就任
2001年 国立情報学研究所教授就任
2006年 東京大学法科大学院入学
2009年 同大学院修了
2014年 筑波大学法科大学院入学
2016年 同大学院修了
2017年 司法試験合格

(筑波大学法科大学院HPより:https://www.lawschool.tsukuba.ac.jp/data1/graduates-msg/graduates04/)

 

経歴を拝見するとずっと情報処理、AIのエキスパートとしてキャリアを積まれてきたようです。

それらを法学へと活用できないか2006年ごろから研究されているようです。

着目すべきは2017年に司法試験を合格している点ですね。

司法試験合格に必要な勉強時間は10000時間とも言われますので、相当ですね。

しかも大学の卒業年から推測するに、合格したのは50代後半だと思われます。

何を始めるにも遅すぎるということはない、というのを教えてくれますね。

(もともと東大を卒業されるほどの秀才ですが)

AIはどのくらい法律の分野に使われている?

業務効率化を目指したもの2つと、実際に司法の現場で判断材料に使われているもの1つを紹介します。

業務効率化~契約文書条項のレビュー~

秘密保持契約などについてチェックして、問題になりそうな個所を自動でピックアップする。

弁護士の成績よりも良好な成績を示した試験結果もある。

業務効率化~関連法律検索システム~

担当している事件などの情報を入力すると、関連する法律の資料をピックアップする。

膨大な学習データと導入コストが必要であるが、訴訟大国アメリカでは大手法律事務所が導入している。

これによってパラリーガルの仕事が減っているらしい。

アメリカドラマSuitsではメーガン妃がパラリーガル役をやってて可愛かったですね。

懸念あり~再犯予測システム~

容疑者、被告人の特徴を元に再犯可能性を予測する機能です。

1998年からアメリカで使われていますが、科学的妥当性があるのか疑問が持たれています。

やはり司法の現場にAI(または統計)が入ってくると妥当性についての懸念は出てきますね。

アメリカは法制度にも失敗を恐れず(?)最新の機材を導入しますね。

以前紹介した噓発見器についてもアメリカの司法の現場で実際に使われていて、後に根拠がないことが明らかとなりました。

次世代のウソ発見器 顔認証による感情評価 「PSYCHO-PASS」の世界がくる?

ベイズ統計を用いた裁判支援プログラム

実際の裁判の現場では証拠が100%そろっている場合だけではありません。

そんな不完全な情報を元に裁判官は有罪無罪かを推論しなければなりません。

そこで、ベイズ統計という手法を用いてこの推論をサポートしようというのが佐藤教授の研究の目的です。

ベイズ統計は「推定の不確かさ」を確率で数値化する統計手法であるため、裁判という不確かな状況でも応用できるようです。

もちろんそれを実際の現場に落とし込んでいくのが大変難しいのだと思いますが。

特に裁判員制度によって非専門家が裁判に加わることもあるため、社会的意義は相当高いと考えられます。

ベイズ統計についてもうちょっと知りたい方は次のページがオススメです。

参考 ベイズ統計学とは?初心者向けのやさしい解説AVILEN AI Trend

今回もお読みいただきありがとうございました!

裁判関係の漫画ではこちらがオススメです!

 

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