今回は一番死亡率が少ない睡眠時間について解説します。
この記事は、国立がん研究センターが中心となって行っているJPHCコホート研究の成果をもとに作成しています。
結論:男女ともに6~7時間睡眠の人が一番死亡率が低い
「8時間睡眠」と言われるように8時間寝られるのがベストなイメージがありましたが、意外にも6、7時間睡眠の人が一番調査期間中の死亡率が低いという結果になりました。
睡眠時間(h) | |||||||
≤5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ≥10 | ||
相対 死亡率 |
女性 (50歳未満) |
1.24 | 1.08 | 1.00 | 1.33 | 1.77 | 2.29 |
男性 (50歳未満) |
1.59 | 1.00 | 1.00 | 1.11 | 1.26 | 1.95 |
出典:Svensson T et.al.. The Association Between Habitual Sleep Duration and Mortality According to Sex and Age: The Japan Public Health Center-based Prospective Study. J Epidemiol. 2021 Feb 5;31(2):109-118.
Table 3.
Hazard ratios and their confidence intervals for mortality according to sleep duration in men stratified by age (younger/older than 50 years of age)
Table 4.
Hazard ratios and their confidence intervals for mortality according to sleep duration in women stratified by age (younger/older than 50 years of age)
より引用し抜粋。太字は統計的有意差を示す。
興味があれば引用元はオープンアクセスですのでぜひご覧になってください。
特に女性においては、8時間睡眠を取っている人は7時間睡眠の人に比べて死亡率が33%増加し、統計的な差が認められました。
5時間以下しか睡眠を取っていない人は7時間睡眠の人に比べて死亡率が24%増加したという結果なので、
8時間以上睡眠を取る人は5時間以下しか睡眠を取らない人よりも死亡率が高い
と言えます。意外な結果です。
男性の場合、6時間睡眠~9時間睡眠を取る人の中で明確な死亡率の差はありませんでした。
*9時間睡眠を取っても7時間睡眠の人に比べて9%の増加に留まる
この性差は興味深いですね。
死にたくなければ最優先は適切な睡眠時間の確保
他の記事で食生活と死亡率の紹介をしていますが、食生活で下げられる死亡率は20%あればいい方です。
それに比べて、不適切な睡眠時間は30%以上も死亡率を増加させます。
適切な睡眠時間がいかに重要かがよくわかりますね。


適切な時間寝ましょう!
余談 ショートスリーパーは200人に1人以下?
今回のコホート研究で、睡眠時間が4時間と回答した人が0.5%程度いたようです。
およそ200人に1人程度の割合ですが、この中には何かしらの事情で本来はもっと寝たいのに寝られない人も含まれていると考えられます。
そう考えると、生まれつき4時間程度の睡眠で全然問題ない、という人はもっと割合が少ないのかも知れませんね。
5時間睡眠の人は男性3.5%、女性5%程度いるようです。
今回もお読みいただきありがとうございました!