日本食と切っても切り離せない素材が大豆ですよね。
大豆がなければ味噌、醤油が作れませんし、味噌、醤油を使わない日本食はほとんどありません。
そんな大豆について、国立がん研究センターを中心としたチームが日本人9万人(40~69歳)を15年間追跡調査するという執念の研究を行ったので、その成果について紹介します。
国立がん研究センターからのプレスリリース:大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連
結論:発酵した大豆食品の摂取は死亡率を低下させる
この研究では、発酵した大豆食品は納豆・味噌を調べました。
解析によると、男女ともに発酵大豆製品を1日あたり13 g以上摂取している人は解析期間中の死亡率が約10%低下したとのことです。
特に女性のほうが効果が高いようです。
丁寧にデータを見てみると、
女性の場合
・1日あたり5 g程度以上の納豆を食べていると死亡率が約20%低い
・1日あたり10 g程度以上の味噌汁を食べていると死亡率が約15%低い
男性の場合
・1日あたり5 g程度以上の納豆を食べていると死亡率が約10%低い
・味噌汁の摂取による死亡率への影響は認められない
この研究では、「納豆・味噌汁の摂取量が多いほど死亡率が低い」という摂取量との相関は認められておりません。
ある程度(納豆5 g以上、味噌汁10 g以上)摂取している人と
多く摂取している人(納豆、味噌汁ともに25 g以上)との間に
死亡率の差は認められませんでした。
そのため、少量であってもよいので毎日食べることが重要なのかも知れません。
よく聞くイソフラボンの乳がん予防効果については本当のようで、味噌汁の摂取量が多いほど乳がんの発生率は低下するようです。こちらは摂取量が多いほど乳がん発生率が低下するようです。
ただし、味噌汁は塩分も多いので飲みすぎには注意が必要かも知れません。1日3杯味噌汁を飲むと、女性の1日当たりの目安塩分量の半分を味噌汁だけで摂取してしまうことになります。
味噌汁の摂取量と死亡率の低さが相関しなかったのは、塩分の取りすぎなどによるマイナス効果が出てしまうからかも知れません。
予想外:発酵させていない大豆食品の摂取量は死亡率に影響しない
個人的にはこれは少し意外でした。
この調査では発酵させていない大豆食品として
豆腐、牛豆腐、高野豆腐、油揚げ、大豆
が挙げられていました。この辺も体によさそうですよね。
今回評価しているのはあくまで死亡率への影響ですから、血中成分等に対する影響はもしかしたらあるかも知れませんが、この研究からは判別できませんね。
死亡率への影響がない→血中成分で差があったとしてもそれほど重要な差ではない
と考えることもできますが。
なににせよ、皆さん味噌汁飲んで納豆食べましょう!
他のコホート研究紹介:コーヒー摂取量と健康の関係 どれくらい飲んでも問題ないのか コホート研究紹介