低炭水化物ダイエットって一時期流行りましたよね。
私が以前紹介した方法も、夜ご飯に炭水化物を減らすダイエット方法ですから、この仲間に含まれます。
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ただし、炭水化物”抜き“ダイエットは体に悪いという情報もあり、どの程度減らしたらいいのかはちゃんと知っておく必要があります。
どの程度炭水化物を減らすと体に良くないことが起きるのか、日本人10万人を調査した結果から考えてみましょう。
論文:Low carbohydrate diet and all cause and cause-specific mortality
炭水化物を”程よく”食べている人の死亡率が一番低かった
10万人をざっくり3グループに分けました。
グループ1は一日あたりのエネルギー摂取量の約65%を炭水化物で取っている群
*全体の上位20%
グループ2は一日あたりのエネルギー摂取量の約55%を炭水化物で取っている群
*全体の上位40~60%(中間層)
グループ3は一日あたりのエネルギー摂取量の約43%を炭水化物で取っている群
*全体の下位20%
グループ2が調査期間の中で一番死亡率が低く(グループ1を100%とすると約9%低下)、統計的な差が認められました。
グループ1とグループ3に差は認められませんでした。
炭水化物抜きダイエットはどう考えても死亡率を高める
グループ3は下位20%とはいえ1日のエネルギー摂取量の43%分炭水化物を摂取しています。
炭水化物抜きダイエットをしている人は43%分、1日の摂取基準カロリーが2000 kcalだとしたら860 kcal≒ごはん5杯分も炭水化物取りませんよね。
「炭水化物抜きダイエット」に匹敵する程度しか炭水化物を摂取していない人は、グループ3よりも高い死亡なのでは?と考えられます。
アメリカ人1万5000人を25年間調査した結果でも、炭水化物からの摂取カロリーが多すぎる人よりも少なすぎる人のほうが死亡率が高い結果が得られています。
縦軸は死亡率、横軸が栄養摂取全体あたりの炭水化物由来の比率を示す。
出典:Seidelmann SB et al.,Dietary carbohydrate intake and mortality:a prospective cohort study and meta-analysis., Lancet Public Health. 2018 Sep;3(9):e419-e428.
Fig1 U-shaped association between percentage of energy from carbohydrate and all-cause mortality in the ARIC cohort
こちらの結果でも炭水化物からのエネルギー摂取量が50%が一番死亡率が低いことが示されているので、人種に関わらないと推定できます。
肥満は確かに万病のもとですが、死亡率が高まるかもしれないダイエット法に意味があるのか。
月並みな言葉ですが、やはりバランスよく食べるのがいいっていうことに落ち着きそうですね。
今回もお読みいただきありがとうございました!
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