4月9日に、バイデン大統領は次年度の予算案に先立って大統領案を提示しました。
*日本は4月から新年度ですが、アメリカは10月から新年度となります。
それに先立って作製したもののようです。
Summary of the President’s Discretionary Funding Request
予算配分から、バイデン大統領が何に注視しているかが読めます。
アメリカ大統領の任期は4年単位ですから、2024年まではバイデン大統領の方針に沿ってアメリカの政策は進んでいきます。
今回は、特に科学分野でバイデン大統領はどのような予算を考えているのか紹介します。
ピックアップすると、下記の通りです。
ヒトの健康に関する研究
・健康に関わる基礎研究に対する予算
国立衛生研究所(NIH)への予算として、90億ドル増加して510億ドル投資する。510億ドル中65億ドルを使い、新しい組織である国防高等研究計画局(ARPA-H)を設立する。ARPA-Hではがん、アルツハイマー、糖尿病などに焦点を当てて研究を行う。
・メンタルヘルスケアのための投資
新型コロナウイルスのパンデミックにより、メンタルヘルス障害を訴える人が増えている。昨年度予算よりも倍増させ、16億ドルをメンタルヘルスサポート、自殺者防止活動のための資金とする。
家庭内暴力の増加に対する対処としての予算も10億ドル投資する。
*厳密には科学予算ではないかもしれませんが、国民の健康に対する投資という観点から今回紹介しました。
真っ先に新型コロナウイルスのパンデミックに対する予算が書かれていたので、最重要項目と考えているのでしょう。
メンタルヘルスに対する予算がしっかり書かれているのが少し意外でした。
そして新たにがん、アルツハイマー、糖尿病を研究する組織を作るようです。
科学分野に対する中国の投資、論文数の増加はすさまじく、それに対する対抗でしょうか。
気候変動対策に対する投資
2021年度予算に対して140億ドル以上の増加を要求する。
・住宅、学校、公的施設の省エネ改修化に17億ドル投資する。
・電気自動車や、充電ステーションのインフラ投資のために6億ドル投資する。
・アメリカ内務省、NASA、全米科学財団などが、気候変動を研究するために40億ドル投資する。
・2050年までに経済活動によるCO2排出を実質0にするために、国の電気、運輸、建築、および産業部門を変革する。そのために100億ドル(前年度比35%増)を投資する。
・エネルギー省の予算を461億ドル(前年比10.2%増)に増額する。
バイデン大統領の推しが「クリーンエネルギー」なだけあって、予算的にも力が入っている感があります。
国防に対する投資
国防総省に対して7150億ドル投資する。(昨年比1.6%増加)
中国の台頭に対する警戒が書かれていましたが、増加額はそれほどでもありませんね。
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