普段気にも留めないのですが、Natureのページに広告が貼られているのが目に留まりました。
パッと見論文かな?と思いましたが笑
ふと、「どんな企業が科学雑誌なんてニッチなところに広告打つんだろう」と興味がわいたので調べてみました。
広告主は?
再読み込み毎に広告が変わったので、30回ほど再読み込みしてみて、どんなところが広告を打っているのか調べてみました。(2021年4月3日時点)
・Twist Bioscience (アメリカ サンフランシスコ)
・illumina (アメリカ サンディエゴ )
・ダイセル(日本 大阪)
・国立大学法人 九州大学(日本 福岡市)
・クイーンズランド大学 (オーストラリア クイーンズランド)
・公益財団法人 東京都医学総合研究所(日本 東京都)
illuminaは意外性が全くありません。次世代シーケンサーでは知名度が非常に高いですし、実験試薬等も販売しています。
実際に広告をクリックしてみましたが、内容は次世代シーケンサーを医師向けに喧伝する内容でした。
Twist Bioscienceの広告内容は「エピジェネティックな変化に基づいた癌の早期発見」
これもillumina同様に医師向けな広告だと考えられます。
あるいは、いち早く診断薬を作りたい企業向けかも知れません。
(エピジェネティックに関する過去の記事:妊娠中の環境が子供の生活習慣病リスクに影響を与える? コロナ禍に生まれた子供への影響は?)
ダイセルの広告内容は「腸内細菌が作る体にいい成分の研究」
腸内細菌の中には体にいい成分を作ることが知られていますが、腸内菌叢は人によって異なっています。
なので、腸内細菌に頼らずに、腸内細菌が作るいい成分を添加物やサプリメントの形で取れるようにしよう!という広告でした。
おそらく機能性表示食品として販売したい企業向けの素材の宣伝だと考えられます。
以前から、食品系の企業も参加する学会でダイセルが発表しているのを目にしたことがあります。
企業向けに機能性素材を販売することに力を入れているのかと推測します。
なぜ大学、公営財団法人が広告を打つのか
これは推測なのですが、優秀な大学院生、ポスドク、あるいは共同研究企業を募集するためだと考えられます。
九州大学の広告は「大気中のCO2を回収する研究」について紹介していますが、
後半では
法律、工学、経済学、デザインを含む九州大学の幅広い分野を利用して、都市工学から社会環境エネルギー科学、CO 2から有用な製品への効率的な変換まで、あらゆる角度からこの概念に取り組んでいます。
と幅広い学部についての紹介をしています。留学生の多さを強調した記載もあります。
国際競争力をつけるため、優秀な学生を確保しようと広告を打ったのだと考えられます。
クイーンズランド大学に関しては九州大学ほどわかりやすい記載はありませんが、オーストラリアの大学でありながら日本語のホームページを拡充させているなど、留学生獲得に力を入れているのがよくわかります。
広告を打った理由は九州大学と同じで、優秀な学生、ポスドクを確保するためでしょう。
東京都医学総合研究所に関してははっきりしたことはわかりませんでした。
知名度向上の面もなくはないかも知れませんが、公募中の研究ポジションもなさそうですし、優秀な研究者を集める、という理由ではなさそうです。
ゲノム医学研究センターと 社会健康医学研究センターが最近できたようなので、そこの知名度向上のためでしょうか。
今日もお読みいただきありがとうございました!!