【基盤S研究シリーズ4】 正常な血糖値を維持する臓器間の情報伝達に関する研究 糖尿病治療につながる?

大型予算、基盤Sに関する研究紹介第4弾です!

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今回紹介するのは、東北大学・大学院医学系研究科・片桐秀樹教授の研究です。

片桐教授の研究室HP:http://www.diabetes.med.tohoku.ac.jp/

今回調べるにあたって片桐教授の研究経歴について調べましたが、一貫して糖尿病と臓器間ネットワークについて研究されてきたようです。

 

今回基盤S予算を獲得した研究背景、内容についてもこれまでの研究の流れを汲んだものです。

要約すると

・レプチンやインスリン以外にも、自律神経を利用して臓器間で代謝状態を伝達しあっていることを以前明らかにした

(Neuronal Pathway from the Liver Modulates Energy Expenditure and Systemic Insulin Sensitivity,  Science誌, 2006年掲載)

 

・血糖値は安静時に1 g/L前後に保たれているが、1食で100 g以上の糖が血中に入ってくる

 

・脳や筋肉は1日で数100 gの糖を消費する

 

・食事がとれない時であっても低血糖が起きないよう制御されている

 

・低血糖の時は自ら糖を作り出す「糖新生」を行うが、その主要部位は肝臓、腎臓、小腸である

 

・これら臓器が綿密に代謝情報を伝達しあっていなければ、時々刻々変化する血統を安定的に制御できるはずがない

 

・モデルマウスを用いて、糖新生時に臓器特異的に自律神経を活性化、あるいは不活性化し、臓器間の情報伝達ネットワークを解明したい!!

という内容です。非常に面白い。生物の教科書レベルですと、レプチンやインスリンなどはよく出てきますが、神経伝達を通して臓器間の代謝が制御されているという知見は知りませんでした。

糖代謝に関わる臓器間の情報伝達について解明が進めば、その知見から治療法の確立ができるかもしれません。現在の糖尿病治療はインスリンを中心とした経路で進められてきましたが、この研究から別角度の薬ができる可能性があります。

今回この記事をまとめるにあたって調べたのですが、糖尿病の副作用の一つに「低血糖」があるようですね。当たり前と言えば当たり前ですが。

参考:novo nordisk 糖尿病サイト

治療法への活用もそうですが、もしかしたら副作用の軽減に関して大きく貢献するかもしれませんね。

 

今回もお読みいただきありがとうございました!!

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