2030年のオーダーメイド医療はどうなっている? これから成長してく医療分野についての考察

今日は2021年3月18日に科学雑誌Cellに掲載された

Precision medicine in 2030—seven ways to transform healthcare

について紹介します。

個人的にもここ10年で

・個人のゲノムDNAが安く読めるようになった

・ウェアラブル装置の登場で、日常的な生体情報が取れるようになった

という点を踏まえて、個別化医療や、個別化フードなんてのもできやすくなっているのかなと感じています。

以前自分のゲノムDNAを解析した記事を紹介しましたので、そちらもよければご覧ください。

【データ公開】自分のDNAを調べてみて思ったこと 遺伝子的に私はアホなのかもしれない

 

著者はJoshua C. Denny氏で、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の教授です。

彼の専門はバイオインフォマティクス(生物統計学)と薬学なので、信頼性の高い情報でしょう。

彼の予測する10年後を紹介します。

 

想定される10年後のオーダーメイド利用

著者が想定している10年後の未来について、一部抜粋して翻訳しました。

現在 2030年
疾患に対するゲノム解析 遺伝性希少疾患や、一部の癌に限られる。 日常的にゲノム解析が行われる。一般的な病気などでも治療方法の確定や、診断にゲノム解析の情報が活用される。腸内細菌叢などの菌叢解析も日常化する。
ゲノム情報に基づいた投薬 癌では一般的だが、選択の幅が狭い。 ゲノム情報が入った電子カルテにより、適切な薬の選択がなされる。最新情報は自動的にアップデートされる。臨床データの推移をもとに、より適した薬の発見にもつながる。
健康な人向けのゲノム解析 病気のリスクに関わる59種類の遺伝子について、変異の有無がわかる。しかし、遺伝的多型等の解析は難しい。 病気のリスクに関わる59種類の遺伝子について、200種類以上の遺伝的多型を解析できるようになる。
電子カルテ ゲノム解析による情報を活用しにくく、基本的にデータの持ち運びが困難である。 ゲノム情報が利用可能で、電子カルテデータをアプリ等で参照できる。
環境因子による健康への影響の調査 患者から聞くしかない。 位置情報をもとにして環境因子の推定、リアルタイムな環境状況の測定や、栄養状況のモニターが可能。
ウェアラブルデバイス 活動量測定等の限定的な使用にとどまる。 運動量、睡眠量、食事摂取についてずっと測定が可能になる。
全ゲノム解析にかかるコスト 500ドル 20ドル

 

・・・めちゃくちゃいい未来じゃないか。

特に、環境因子の影響の測定っていうのは面白いですね。

患者さんの自己申告だと「これは問題ないでしょ」って判断して言わない部分とかもあるでしょうし。

万が一公害のようなものが起きた時も調査がしやすいのかも知れません。

 

やはりウェアラブルデバイスのデータも医療へ活用されることが想定されているんですね。

前も紹介しました東京大学の「電子鼻」の研究のように、測定できるデータもどんどん広まっていくのでしょう。

予算から考える研究室選び 文科省らが選んだ「今最も独創性があると判断した研究室」2

そういえば2021年3月20日にカリフォルニア大学サンディエゴ校が開発したウェアラブル装置がニュースになっていましたね。

センサーシールを皮膚に貼って「アルコール、カフェイン、ブドウ糖、乳酸、血圧、心拍数」を同時計測

私はまだ20代ですが、私たちが還暦するころにはどんな世界になっているのでしょう・・・

病気と診断される前にウェアラブル装置からの情報で自動的に薬が送られてくるなんて世界になるのも夢じゃなさそうですよね。

今回もご覧いただきありがとうございます!

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