今回はScienceに掲載されていた
Gorillas in the wild often adopt young orphaned apes
について紹介します。
動物の行動学ってすごく面白いですよね。私はカラスが好きで、近くを歩いているとガン見してしまいます。大抵警戒しているような素振りをされますが笑
通勤路にこの漫画のようなカラスの死骸を模したオブジェが釣り下がっていて、本当にその場所のゴミだけカラスに荒らされていない様を見ます。
「あそこ見ろよ・・・また仲間が見せしめに吊るされているぜ・・・」
とか思っているのかと想像すると若干愛おしくなります笑
自然界で親が死ぬ危険さ
チンパンジー、ヒヒ、サルの世界では、小さいうちに母親が死んでしまうと、その子供も早く死んでしまう割合が高いそうです。
無事大人になれたとしても、社会的階層が低くなり、子孫を多く残せなくなってしまいます。
確かに、チンパンジーたちが群れを作って生活しているのは知っていますし、そこに階層があるのも知っていましたが、親がいない子供の社会的階層が低くなる、っていうのは謎の衝撃がありますね。
霊長類以外の社会性動物では、シャチ、ゾウなどもこういった傾向があると報告されています。
マウンテンゴリラは孤児を見捨てない
ルワンダにあるカリソーク研究センターでは53年間もゴリラの研究がされています。
そこでの研究で、若いマウンテンゴリラが両親を亡くしてしまった場合でも、早く死んでしまったり社会的な立場を失ってしまうリスクが高くないと明らかになりました。
子供の数にも影響がみられなかったそうです。ゴリラかっけえな。
マウンテンゴリラと同様の大型類人猿のボノボに至っては、”ほかの社会集団の孤児”を養子として受け入れたという研究結果もあります。
類人猿でこのような現象が見られたのはこれが初めてとのことです。2021年3月18日の論文なので、つい最近わかったそうです。
読んだ後に気づきましたが京都大学霊長類研究所の先生の研究でした笑
Two wild female bonobos adopted infants from a different social group at Wamba
養子化として見られた行動は5m以内の範囲に常にいる、毛づくろい、食べ物の共有、営巣、授乳などです。たしかにこれは養子と考えてよさそうですね。
しかも、これは子供を亡くした母ボノボが錯乱して他の子どもを拉致した、という怖い話ではなく、他に2人の自分の子供(4.8歳と2.1歳)を育てながら追加で1匹養子(2.6歳)として育てている、というケースのようです。
日本人が2人産むか産まないかという悩みがありながら、このボノボは追加で3人目を育ててるとは。
しかし、こういうフィールドワークは大変そうだなと思いつつ、すごく憧れます。
生で養子を世話しているボノボを見ると感動がすごいんだろうなぁ・・・とか
今回も読んで下さりありがとうございました!
Podcast: