2021年3月18日に、科学雑誌Natureにこんな記事が載っていました。
タイトル:Five reasons why COVID herd immunity is probably impossible
5つの理由については以下の通りです。
1. ワクチンが感染を防ぐか、広まるのを抑制するのかいずれなのかが不明
2. ワクチンを人類一斉に摂取できない
3. 変異体が発生することにより免疫が効かなくなる可能性がある
4.免疫自体長く続かない可能性がある
5.ワクチンの接種により人の行動が変わってしまう影響
順番に見ていきましょう。特に3は重要な事実に基づいた考察です。
*ワクチン接種の効果を否定するものではありません。私は順番が来たら必ず打ちます。
1. ワクチンが感染を防ぐか、広まるのを抑制するのかいずれなのかが不明
モデルナ・ファイザー製のワクチンは非常に高い効果を示しています。
しかし、これは「感染しなくなる」のか、「他者に広まるのを防ぐ」が現時点ではわからないとのことです。
「他者に広まるのを防ぐ効果」が重要なようで、そうでないのであれば、すべての人がワクチンを打つ必要があるようです。
2. ワクチンを人類一斉に摂取できない
これは私も思っていました。
抗生物質を処方されたとき「必ず飲み切って」と言われたことありませんか?
中途半端で飲むのをやめてしまうと、「抗生物質に耐性がある菌」が出てくる可能性があるからです。
ワクチンも接種率にバラつきがあると、同様に「ワクチンに耐性のあるウイルス」が発生しかねません。
ただ、原理的に80億人一斉に打つのは困難ですよね。80億本できるの待ってたらその間に何人死ぬかわかりませんし・・・
現状のように打てるところは打った方がいい、ただし、国によって差がありすぎるとトータルでデメリットが大きい、といったところでしょうか。
3. 変異体が発生することにより免疫が効かなくなる可能性がある
昨年の5月から10月、ブラジルのマヌアスという地域で大量の新型コロナ感染者が出たそうで、推計で人口の60%が感染したそうです。60%・・・
それだけ感染していると、集団免疫には十分なようです。
しかし、今年の1月に再び大流行したそうで、調べてみるとすべて変異型の感染者だったそうです。
変異型を専門家が警戒する理由がよくわかりますね。
4.免疫自体長く続かない可能性がある
ただこの点に関しては、どれくらいかっていう具体的数字はまだ出ていないようです。
インフルエンザのように毎年打たなければならなくなる、という意見もたまに聞きますが、そうなるのか毎年はいらないのかその辺はまだわからないようです。
まぁ新型コロナが確認されて1年ちょっとですからね。
1年以上免疫が持つかどうかなんて現時点ではわからないですよね。
ただ、多少は免疫が残る可能性が高いそうです。
今より感染しても軽微で済むかもしれませんね。
5.ワクチンの接種により人の行動が変わってしまう影響
ワクチンは完璧じゃない。例えば90%の感染阻止効果があったとして、ワクチンを打つ前に1人に会っていたのを、接種後に10人に会ったら意味がない。
と書いてあります。たしかに!!!
ワクチン打ったら元の生活に戻れると思ってましたが、そう言われてみると打ったからと言って安心しすぎてはならないですね。
総括すると、楽観的になりすぎてはならないとの警鐘でした。
ワイドショーとか不安をあおるだけと違い、エビデンスに基づいているので非常に参考になります。さすがNature
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