【最新研究】将来は一度飲めばしばらく薬を飲まなくてもよくなる? 最先端の研究状況について紹介

2020年のノーベル化学賞を覚えておりますか。

これはゲノム編集技術(DNAを目的通りに改変する技術)の進歩に対して与えられたものです。

もしかしたら新聞やテレビなどで「CRISPR/Cas9」という言葉を目にした方も多いかもしれません。

これまでもゲノムを編集する技術自体はありました。しかし、このCRISPR/Cas9は従来の技術に比べて圧倒的に簡単にゲノムを編集できます。

どのくらい簡単化というと、このCRISPR/Cas9が発端となって

カリフォルニア州では家庭でのゲノム編集が禁止されました笑

もし知識がない人でも、「ねるねるねるね」のようなノリでゲノム編集できる、そんなキットを怪しげな企業が売る前に先手を打った、というような法律です。

今回はCRISPR/Cas9に限定はしませんが、遺伝子治療の最前線をご紹介します。

 

遺伝子治療はすでに実用化されている

アメリカの研究で、実際にヒトを対象にした遺伝子治療は実用化されています。

例えば、脊髄性筋萎縮症という遺伝子の病気が治療できるようになってきています。

生後数か月で呼吸障害、運動障害等を発症し、95%の子供は1歳半まで生きられません。

この病気に対し、遺伝子治療を行うことで試験的に治療した赤ちゃん16人のうち、15人は20か月以上生存し、ほとんどの子が自力で座ることができると報告されています。(治療ができていなければ自力で座れません)

引用:https://www.sciencemag.org/news/2017/11/gene-therapy-s-new-hope-neuron-targeting-virus-saving-infant-lives

 

非常にすばらしい成果だと思います。

遺伝子の病気は両親がそれぞれ病気の原因遺伝子をヘテロで持っており、25%の確立で生まれた子供が発症するというのが一般的なメカニズムです。

なんで25%かの詳細はこのページにわかりやすく書いてありました

https://www.togetherinsma.jp/ja-jp/home/introduction-to-sma/smn1-gene.html

 

「生まれる子供が25%で死ぬ。それでも子供を作るべきか」というのは両親にとって非常につらい選択になるでしょう。

そんな方々にとって希望となる研究結果でしょう。

 

毎日薬を飲む必要性から解放される?

慢性疼痛という症状があります。これは常に焼けるような痛みを感じる症状で、考えるだけでも生活がつらくなりそうです。

慢性疼痛を訴える人の中には、「痛みを感じるのに関わるタンパク質」が常に活性化しているタイプの人がいるようです。

本来であれば本当に痛いときだけONになるスイッチが、生まれつきずっとONに入りっぱなし、ということです。

どう考えても辛そう。

この病気の治療法は薬による対症療法しかなく、この薬も副作用もあるため問題も少なくないとのこと。

 

そのような症状の患者に対し、CRISPR/Cas9を使って「痛みを感じるのに関わるタンパク質」の量を減らしてあげれば、症状を改善できるのでは、という研究がなされています

素晴らしい点は、一度治療したマウスは10か月程度たっても疼痛軽減効果が確認できているということです。

副作用がある薬を飲み続けなくてもいいようになるかもしれません。

こちらは現在マウスでの効果が確かめられていて、次にヒト以外の霊長類を使った試験に進むようです。

参考:https://www.sciencemag.org/news/2021/03/gene-silencing-injection-reverses-pain-mice

 

国内の研究 CRISPRとエピゲノム修飾 群馬大学

ほかの記事でも書いていますが、私はエピゲノム修飾がすごく好きです。

参考記事

【最新研究紹介】将来細胞レベルで若返る薬ができるかもしれない

妊娠中の環境が子供の生活習慣病リスクに影響を与える? コロナ禍に生まれた子供への影響は?

 

単純に話が面白いだけでなく、将来性がものすごいと感じます。

国内の研究ですが、群馬大学の研究チームがCRISPRを用いた特定の領域のエピゲノム修飾改変技術について以前論文を出していました。

論文:Targeted DNA demethylation in vivo using dCas9–peptide repeat and scFv–TET1 catalytic domain fusion

国内でも遺伝子治療につながる研究が進められています。

もし高校生がこの記事を読んでくださって、進路を決めかねているときは選択肢として考えてみるのもいいかもしれません。

 

薬の飲み忘れから解放されたい笑

私は90歳を超える祖母がおりますが、高血圧や高コレステロールなど持病を持っているので、様々な薬を飲んでいます。

80代後半から軽い認知症も発症しているため、「朝薬飲んだっけ」なんて日常茶飯事です。

母が気を使って減塩、低コレステロール食を意識しているのと、年を取って食事量が減っているにも関わらずこれらの症状がでるということを踏まえると、遺伝子の問題が大きいように思えます。

ちなみに私も花粉症持ちでアレグラを毎日飲んでますが、「今朝飲んだっけ」はたまにあります笑

 

ゲノム治療がもっと拡大すれば、毎日飲む薬から解放されるかも知れませんね。

私たちが高齢者になるころどうなっているのか楽しみです。

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