あなたはお酒が強いですか?
次の4月で大学生になる、という方は大学生になると飲み会三昧な日々を想像しているかもしれません。
そして個人的体験から言うと、それは間違いではありません笑
(未成年飲酒 ダメ!絶対!!)
もし未成年、あるいはまだ飲んだことがない方でしたらご両親がお酒を飲んだ姿を思い出してください。
あなたのご両親が飲めるか、飲めないかからあなたのアルコール分解酵素の能力をある程度測れるかも知れません。
細かい原理を飛ばしたければ、結論のところに算出した確率を書いておりますので、そちらをご参照ください。
あなたもほぼ確実にお酒に強いです!
あとはどの程度が自分の限界なのかは身をもって学ぶのが個人的にはオススメです。
社会人になる前に自分がどの程度まで正気でいられるのか、粗相をしないのかを見極めておけば、会社に入った後に失敗する可能性を下げられます。
会社に入ってからの人間関係はそうそう変わらない可能性があるので、酒の場でうっかりやりすぎると、「酒飲むと無礼なやつ」とか「調子に乗っているやつ」とかレッテル張りされてしまうかも知れません。
ちなみに私もお酒は強いです。
学生の時限界を見極めつつも、社会人になってからもうっかり酒の場でやりすぎたタイプです。
ご両親の一方が飲めて、もう一方が飲めない場合
アルコールの分解に関わる酵素にALDH2(アルコールデヒドロゲナーゼ2)という遺伝子があります。
例外はもちろんありますが、お酒に弱い方はALDH2の機能が弱いタイプの遺伝子を持っている可能性が高いです。
ご両親の一方だけがお酒に強い場合からあなたの体質を遺伝学に習って計算すると、45%の確率でお酒に強く、55%の確率でお酒に弱いと考えられます。
半々ですね。あらかじめパッチテストを受けた方が無難です。
算出方法に興味があれば参考にしてください。
ALDH2は面白いタンパク質で、4つのALDH2タンパク質が合体して機能します。ALDH2の遺伝子を野生型と変異型のヘテロで持っている方は、アルコール分解能は半分ではなく、実は1/16程度まで低下します。
ALDH2が4つ合体した時に全部野生型でないと機能が大きく低下するため、1/2の4乗=1/16となるわけです。野生型の1/16しかお酒が飲めないのであれば、お酒が弱いと判断されるでしょう。
つまり、お酒が飲めない人も、両方の遺伝子座のALDH2が変異型である場合とヘテロである場合が考えられます。
日本人の保有しているALDH2の割合は、wt/wtが56%、wt/mtが40%、mt/mtが4%と推定されています。
飲めないことがわかっているので、wt/mtの確率が40/44で約90%、mt/mtが約10%ですね。
wt/wt × mt/mt (10%)→wt/mt (10%)
wt/wt × wt/mt(90%) →wt/mt or wt/wt (半々なので90/2で45%)
つまりお酒が飲めない確率は
10%+45%=55%
45%の確率でお酒に強く、55%の確率でお酒に弱いと考えられます。
ご両親ともにお酒が飲めない場合
このご両親からお酒が飲める子供が生まれるとしたらご両親とも wt/mtで、かつ1/4を引き当ててwt/wtが生まれる場合しかありません。
90%×90%÷4≒20%
非常に低い確率ですね。必ずパッチテストを受けましょう。
結論
ご両親がお酒に強い場合、ほぼ間違いなくお酒に強い体質です。
片方だけがお酒に強い場合、45%でお酒に強い体質です。
両方ともお酒に弱い場合、20%でお酒に強い体質です。
ただし、今回説明したお話はALDH2にのみ焦点を当てた計算になっています。
必ずしもこの割合とは言い切れませんが、アルコール代謝能力を考える上でALDH2は重要な酵素ですので、大きくは外れない計算値と考えられます。
お酒が飲めないタイプの人でもほかの酵素が頑張ってアルコールやアセトアルデヒドを代謝してくれます。しかし、このタイプは飲酒による発がんリスクが高く、特に食道がんのリスクが高いことが指摘されています。無理は避けましょう。
他の記事でエピゲノム修飾を紹介していますが、お酒を飲んでいたらエピゲノム修飾が変わってALDH2が多く作られてお酒をいっぱい分解できるようになる、などということはありません。(少なくとも私は聞いたことありません)。
大学生活は勉強だけでなく、お酒との付き合い方を学ぶ場でもあります。
うまくお酒と付き合っていく方法もぜひ身につけましょう!